家庭で、職場で…何となく人間関係がうまくいかない

一生懸命やっているのに仕事のミスが多い

片付けや掃除が苦手でいつも散らかっている

そんなつもりで言ったんじゃないのに、悪意はないのに、

空気が読めない、ヤル気がないと言われる…

もしかしたら、発達障害によるものかもしれません。

頑張っているのに…

“障害”と聞くと、悲観的で絶望的なイメージを持つ人もいますが、

それは誤解です。正しく理解し、その特徴とうまく付き合っていくための

トレーニングを受けることで、今よりずっと生きやすくなります。

『偏り』というとらえ方

 『発達障害』は、マスコミなどでも取り上げられるようになると、

とてもポピュラーなものになり、一般にも浸透しつつあります。

一方で、正しく理解している人は少なく、

その上、『アスペ(アスペルガー症候群)』のように、表面的な言葉だけが

先行することで、無用な誤解を招くことも多いと感じています。

個性?障害?

 学会や研究会などにおいても、『個性』か『障害』なのかは議論を

呼ぶところですが、私自身は、これまで多くの発達障害による“生きづらさ”を

抱えた人たちと向き合ってきた経験上、発達の『偏り(アンバランス)』

というとらえ方をしています。

 人は、成長過程(発達段階)でさまざまな能力を高めていきます。

運動能力や言語表現、理解能力が優れている人もいれば、

苦手な人もいますが、多くの場合はそれを『個性』として受け止めます。

 しかし、各能力の偏りが大きいと、よくできる事、できない事が

極端になります。結果、生活や仕事(学業)、人間関係に支障をしたし、

それによって‟生きづらく”なるのが、『発達障害』です。

遺伝?環境?性格?

『発達障害』の原因とは

 発達障害の原因は、決定的なことはまだよくわかっていませんが、

生まれつきの脳の機能障害であり、遺伝性が高いと考えられています。

主に、脳内の神経伝達物質(脳内ホルモン)の分泌や働きに不都合を

生じることによる障害であるという説が有力です。

 以前は、親の育て方や心理的ストレスが原因だと誤解されていましたが、

現在では、そうではないということが検証されています。

したがって、『大人の発達障害』も生まれつきのものであり、

成人になってから発症するものではありません。

正しく言うなら、「成人期にその特徴が顕著になった発達障害」

ということです。

 さらに、『発達』という言葉の通り、年齢の経過に伴ってその特性が

変化するというのも特徴の一つです。

幼い頃から発達障害の特性が目立つ人もいれば、幼少期にはほとんど

目立たず、思春期や社会人になってから顕著になる場合も少なくありません。

 また、幼い頃はいつも動き回っていて多動傾向が強かった人が、

大人になるにつれて改善され、あまり目立たなくなる場合もあります。

 このように、『発達障害』はわからないことが多いだけでなく、

『疾患』や『障害』なのか、『特性』や『性質』と言った方が良いのか、

専門家の意見も分かれるところです。

簡易基礎調査

まずは“正しく知る”ことから…

 ご相談者の中には、自分の特性をインターネットで検索し、

「私、発達障害です」と、勝手に思い込んでいる人がいます。

これはとても危険なことです。

 『発達障害』には分類があり、特性別に多くのタイプがあります。

さらに、複数のタイプを併発していることが多く、一つのタイプに

限定されることの方が稀です。

インターネットによる自己診断は便利ではありますが、

そんなに手軽に決定づけられほど簡単ではないのが『発達障害』です。

“正しく知る”ことで、適切なアドバイスや生活上のトレーニングを受け、

“特性”を『個性』や『能力』に変えて、自分らしく生きることは可能です。

ADHD?ASD?それとも…

「なんとなく生きづらい…」と感じたら、まずはご相談ください。

当相談室では、『簡易基礎調査』(チェックシート式)によって、

発達障害の可能性やタイプを分析・評価しております。

(★科学的根拠に基づく方法での基礎調査ですが、障害の有無や

 すべての評価を診断・決定づけるものではありません。また、医療機関では

 ありませんので、医学的検査・診断・医薬品の処方は行いません)

“ひとりで悩まないで!” お気軽にご相談、お問合せください。

次回は、発達障害の分類とそれぞれの特性についてお伝えします。