カウンセラーだって“悩む”?
ご相談者から「カウンセラーは悩んだりしないんでしょ?」とか、
「ストレスは無いの?」とか、「落ち込んだ時はどうするの?」と
問われることがあります。
そんな時は「カウンセラーも人間です。悩んで落ち込むこともありますよ」と
答えます。
今回はカウンセラーのメンタルケアについてお伝えしようと思います。
あくまでも私自身の経験に基ずく“個人的見解”として受け止めて
頂けると幸いです
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女性の“悩み”は男性よりも多い!
「ストレス社会」といわれるようになったのはいつ頃からでしょうか?
私が育った時代(1960~70年代)は、生活は今よりもずっと不便でしたが、
「ストレス社会」という言葉はまだなかったように記憶しています。
現代は、必要なモノや情報は時と場所を選ばずに手にすることができ、
生活はとても便利になりました。しかし、生活のしやすさと、生きやすさは
イコールではないようです。
「悩みやストレスはあるか?」という調査で、20代から60代の平均は
男性45.5%、女性55.3%、とくに30~40代ではその差が10ポイント
以上あり、女性の方が悩みやストレスが多いというデータがあります
(2016年度、厚生労働省国民生活基礎調査)
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また、女性の悩みの多くは人間関係ですが、仕事や待遇(給与など)に
悩んでいる人も39.4%とけっして少なくありません。
(インターネット調査2017年5月 ㈱インテージ調べ)
自分の能力やスキルを活かせない部署に配属されたり、
男性と同じだけの仕事をしても評価が低かったりと、社会的不公平感が
ストレスの原因となっているようです。
さらに、女性は人生のステージで多くの役割を担っています。
職場では社員として、結婚したら妻または嫁として、
子どもを持てば母として、それは、常に多くの人と関わりを持たざるを
得ないということでもあり、その場、その相手によってさまざまな
つき合い方が求められることにもなります。
当相談室でも、ママ友問題やシングルマザーが抱える貧困問題、
老親の介護など、女性を悩ませる問題が増加していることを実感します。
女性にとっては生きづらい要素が満載の現代社会なのかも
知れませんね。
そういう私も悩みを経験してこなかったわけではありません
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人生崖っぷちストーリー
人生はいい事ばかりではありません。山あり、谷あり、気づけば崖っぷち…
もうダメだ!と追い詰められるような試練は、誰にでもあるでしょう。
ここでちょっと、私の崖っぷちストーリーをお話しましょう。
私は24歳で結婚、その後2人の男の子の母となりました。
家事と子育てをしながら研究の仕事も続け、どこにでもある平凡な家庭でした。
ところが、次男が生後11か月で小児癌を発症。
1年間の闘病の甲斐なく、2歳の誕生日を目前に逝ってしまいました。
次男の死から2年後、夫が倒れました。病名は進行性核上性麻痺。
脳の神経細胞が破壊されていく難病です。発症が若かったこともあり、
わずか3年で寝たきりになり、それから7年後に逝きました。
たった10年の間に2人の大切な人を失った私の精神状態は、
言うまでもなく、崖っぷちから突き落とされてどん底の底でした。
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イライラのはけ口は“落書き”…⁈
当時、私を最も苦しめたのは、「弱音をはけない」ことでした。
次男の小児癌も夫の難病も、一番辛いのは病気の本人です。
とくに、幼い次男が痛みにもがき苦しむ姿は、親なのに代わってあげることも
できない私の心をえぐるかのように突き刺します。
「こんなに小さな体で頑張っているのに、私が弱音をはいてどうする」
「愚痴なんてこぼしている場合じゃない!」と、自分に言い聞かせては
いました。しかし、一人になると弱音や愚痴があふれそうになります。
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そんな時、ふっと目にしたのが壁にある2か月前のままのカレンダーでした。
めくること忘れるほど、余裕がなかったのでしょう。
2枚のカレンダーを破き、裏面の白い部分を見ているうちに
何か書きたい気分になりました。
『もうイヤだ』『なんで私ばかりがこんな思いをするの』
『大変ね…なんて簡単に言わないで』
『頑張って…なんて言われなくても頑張ってる』
『これ以上、どう頑張ればいいの?』……
気づけば、そこには私の弱音や愚痴があふれていました。
文字も殴り書きのように乱れ、まさに“ 私の心の内 ”そのものでした。
カレンダーの裏一面に書かれた自分の心を眺めているうちに
なぜか、気持ちがスーッと軽くなっていることに気づきました。
まさに、吐き出すことで心が軽くなることを実感したのです。
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ライティングの心理的効果
当時、心理的な効果を意識して“落書き”をしていたわけではありません。
一方で、悩んだら書く、辛くなったら書く、愚痴りたくなったら書く…を
続けていると、確実に心の整理がつくことを実感しました。
それは、書くことによって客観的になれるからです。
今でもストレスが溜まったり、頭の整理がつかないときは“落書き”を
実践しています。
愚痴や弱音を人に向けて言うと、相手を不快な気持ちにしたり、
周囲との関係を悪化させてしまうこともありますが、
“書く”ことは誰にも迷惑をかけないし、書いたものを誰かに見せるわけでは
ないので、周囲の目を気にする必要がありません。
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ここで一つ大切なポイントがあります。
それは、書いた紙は確実に処理することです。
弱音や愚痴にあふれている紙をそのまま置きっ放しにしていると、
あとでそれを目にした時、「イヤな自分」がそこにあるので、
書いたことを後悔したり、書いた自分を責めることになりがちです。
ですから、書いた紙はシュレッダーにかけるか、修復不可能なくらい
細かく切り刻むか、燃やしてしまいましょう。
そしてもう一つ…
スマホのメモ機能などに打ち込むのでは心理的効果は期待できません。
なぜなら、“ 実際に書く ”ときはある程度の時間がかかります。
人の脳は、ストレスを処理するときに一定の時間を必要とします。
“打ち込む”ことは便利ですが 、スピードが速いので脳の処理速度が
間に合いません。また、打ち込んだ文字には感情が表現されないので、
ストレス処理の効果が期待できません。
『書く習慣』は瞑想よりも効果的であるという検証報告もあり、
ストレスの多い現代社会においては、誰にでもできる解決法だと思います。
是非お試しください!
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