長かった梅雨が明け、やっと夏らしいお天気になってきましたね。

特に今年は例年以上に雨量が多く日照時間が極端に短かったので、

農作物にも影響して野菜類の高騰がニュースになっていました。

一方、天気は野菜だけでなく“気分”にも影響しているようで、

それを裏付けるかのようにご相談件数も増加しました。

どんより曇り空の日は気分も落ち込み気味になったり、

すっきり晴れた日には爽快な気分になった経験があるでしょう。

天気と気分が関係してることは、なんとなくお気づきですよね。

たとえば、音楽でも雨のタイトルや風景をイメージさせる歌詞は

悲しさや寂しい感情を刺激し、決して前向きにエネルギー全開という

気分にはなりません。

ただでさえ、気分が沈みがちのときに雨が降ったり悪天候が続けば、

外出するのも面倒になったり、仕事への意欲も低下して

抑うつ的な気分になりますね。

さらに、食欲不振・頭痛・不眠など、体調も悪くなります。

なぜ雨の日は体調が悪くなるのか?

天気の悪い日は気象学的には『低気圧』が通過する日ということです。

反対に天気の良い日は『高気圧』が通過する日です。

この気圧の変化が『天気』であり、その変化を耳の奥にある内耳の

気圧センサーがキャッチしていると考えられています。

気圧の急激な低下(低気圧)は副交感神経を刺激しやすく、

副交感神経が活発になり過ぎると倦怠感や気分の落ち込みを

感じやすくなると言われています。

今年の梅雨のように長い間雨が続くと、副交感神経のスイッチが

長期間にわたってONの状態になることで不調になると考えられます。

さらに、気分の変化だけでなく、自律神経のバランスが乱れることで、

頭痛や関節痛、古傷の痛み、めまい、喘息など様々な症状を

引き起しやすくなると言われています。

これからの季節は台風にも要注意!

7月は台風が1つも発生しなかったと聞きましたが、

“自然界”は地球規模で帳尻を合わせてくるので、その分きっちり

発生すると予測されます。

台風は大型の『低気圧』です。台風の接近によって一気に気圧が下がるので

心身への負担も大きくなります。

内耳センサーが繊細な人は、遠くの台風の微気圧変動をキャッチして、

台風が近づく前から頭痛やだるさなどの予兆を感じる人もいます。

さらに、気圧の変動は肺や血管などにも影響を及ぼすので、

脳梗塞や心臓病などの循環器系の病気は急変・悪化しやすく、

注意が必要です。

日照不足にも要注意!

人の気分は脳内神経伝達物質によって左右されることがわかっています。

その中でもセロトニンは光が目の網膜を刺激することで分泌が盛んになり、

ポジティブな気分になります。

一方、悪天候が続くことで日照時間が短くなるとセロトニンが減少して

気分が落ち込みやすくなることもわかっています。

私たちの日常生活はさまざまな“光”に囲まれています。

太陽光はもちろんですが、白熱電球や蛍光灯、TVやパソコン、

スマホなどの青色光、LEDなどの人工照明によって「物を見る」ことに

不便さはありません。照明があるから大丈夫と思っている人もいるでしょう。

しかしこれらの人工光はセロトニンの分泌を促すほどの光の強さはなく、

物を見るのに十分な明るさでも、脳にとっては真っ暗闇という

ことになります。

太陽光を浴びる機会が減り、セロトニンの分泌が減少することで、

気分はますます落ち込みやすくなります。

天気に左右されないために

『天気』ばかりは私たちのヤル気や努力ではどうにもコントロールできません。

ならば、天気に左右されにくい心身を維持することが大切です。

日常生活で取り入れられる3つのポイントをご紹介しましょう

①耳マッサージ

 気分や体調の不調は耳の奥にある内耳の気圧センサーと

 深い関りがあります。内耳の血流が悪くなると自律神経にも悪影響を

 及ぼすので、耳周りをほぐすマッサージが効果的です。

 耳たぶを軽く引っ張りながら上・下・横方向に動かすだけ!

 その他、耳をホットタオルなどで温めても良いでしょう。

②入浴は湯船にしっかりつかる

 夏はついついシャワーで済ませがちですが、夏こそエアコンや発汗などの

 影響で体温が下がり気味になります。少しぬるめの湯(38℃前後)に

 ゆっくりつかると心と身体をリラックスさせることができます。

 ただし、長湯による脱水にはくれぐれもご注意を!

③規則正しい生活スタイルを!

 不規則な生活は自律神経のバランスを乱しやすく、気圧変動にも上手く

 対応できなくなってしまいます。

 日頃から起床・就寝・食事の時間を一定に保つことを心がけましょう。

 さらに、気温や湿度が高く、反対に体温が低くなると水分代謝が悪くなり

 “むくみ”やすくなると言われています。むくみ予防には塩分を控え、

 カリウムを多く含む食材(野菜・果物)を積極的に摂りましょう。

 軽い運動も血行促進やむくみの予防につながります。

 雨の日には室内でのストレッチや、外に出られる日は散歩などがお勧めです。

天気によって気分や体調が振り回されることは辛いことですね。

これからが夏本番。

さらには台風やゲリラ雷雨など天気が急変しやす季節です。

日頃から天気に負けない心と身体作りを心がけてくださいね。

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