緊急事態宣言が解除され、社会活動が再開した感がありますが、

“コロナと共存”するために、新たな生活スタイルが求められています。

感染拡大防止のために日頃からソーシャルディスタンス(社会的距離)を

維持することの重要性が言われていますが、この“距離”がこれからの

人間関係やコミュニケーション、さらには“心の健康”に及ぼす影響について、

考えてみたいと思います。

“オンライン疲れ”とは…

さて、今回の“自粛”で出勤から在宅勤務になった人も多いことでしょう。

実際にテレワークをやってみてどうだったでしょうか?

通信技術の進歩で、業務的には問題なく進めることができたり、

毎日の過酷な通勤から解放されて「案外、テレワークっていいかも!」と

思っている人も少なくないでしょう。

また、仕事だけでなく、「オンライン飲み会」や「zoomトーク」など、

プライベートでも大いにオンラインを活用していることでしょう。

一方で、最近増えてきたのが“オンライン疲れ”に関するご相談です。

これまでの「リアルな場」でのコミュニケーションには無かった、

もしくはあまり意識する必要がなかった、オンライン上の

ソーシャルディスタンに戸惑いを感じている人が多いようです。

“オンライン疲れ”の一因は、私たちの脳構造にあると言われています。

パソコンなどの画面は極微細な粒子状になっているので、

表情が読み取り難く、さらに画像と音声に若干のズレがあるので、

リアルな場よりもコミュニケーションに高い集中力が必要になります。

これが脳への負担になり“オンライン疲れ”につながってると

考えられます。

オンライン疲れは“脳疲労”

パーソナルスペースとオンライン疲れ

パーソナルスパースとは、これ以上他人に近づかれると不快を感じる

空間のことを指します。“なわばり的感覚”とも言えます。

たとえば、レジに並んでいるときに、まったく知らない人がすぐ後ろに

ピッタリ付いて並ばれるとイヤな気分になりますよね。

これは自分のパーソナルスペースを侵されているからです。

私たちは日頃からリアルな場では、コミュニケーションを円滑にするために

相手との関係性に応じてその距離感を無意識に使い分けてきました。

テレワークは、プライベートの場に仕事が侵入してきたことになるので、

知らず知らずのうちに緊張感や不快感が高まり、オンライン疲れはより

深刻になります。

オンラインだからこそ、上司の“監視”や“報告義務”、

同僚とのコミュニケーションなどこれまでとは異なる距離感を

いかにコントロールしていくかが重要になります。

あらたな“距離感”

心理的ソーシャルディスタンス

リアルな場でもオンライン上でも、相手との“距離感”はとても重要です。

離れすぎても近付きすぎてもうまくいきません。

オンライン上のコミュニケーションで大切なことは、

「相手はどう思っているか?」という“高い共感性”と相手の思いを受け止める

“高い感性”です。特に、日本人のコミュニケーションの特徴である“曖昧さ”は、

「気づく」、「察する」という思いやりに通ずるところがあります。

間違っても、画面に映った相手のプライバシーを侵害することが

ないように配慮することが必要です。

距離は思いやり

さらに、人間関係に限ったことではなく、“仕事”との距離感、言い換えれば

仕事とプライベートの上手な切り替えを意味します。

これまでは生活の場から仕事の場へ移動(通勤)することで、

無理なく“切り替え”ができましたが、場所が変わらずに意識を

切り替えるのは難しいことです。

家にいるから逃げ場がなく、キャパ以上の仕事を詰め込み過ぎてしまったり、

画面をoffにすると、仕事をしていないと思われるかもしれないと不安になり、

パソコンの前から離れられないという人もいます。

仕事をする時間と仕事から離れる時間を自分自身でうまく調整する

自己管理能力が問われるのもテレワークであればこそです。

付かず離れずの距離感

新しい生活スタイル

コロナ禍は私たちの生活に大きな影響を及ぼしました。

仕事もプライベートも“新しい生活スタイル”への行動変容を強いられています。

これからは、離れていても成立する仕事や生活を習慣化して

いかなくてはなりません。

インターネットやSNSを活用することは素晴らしいことです。

しかし、画面の向こうにいるのは“人”ですから、人が快・不快に感じることは

オンラインになっても変わりません。

お互いが心地よいと思えるような距離感を共に考えていくことで、

これまでとは違った一体感を作り出せるでしょう。

“ひとりで抱え込まないで…”

慣れない生活スタイルで、ストレスを抱えている人も多いことでしょう。

そんな時はひとりで抱え込まないでお気軽にご相談ください。

当相談室では、来室面談の他、電話、オンライン、SNSなど、

ご相談者様の状況に合わせて対応させていただきます。

直接お電話で、またはお気軽にお問合せホームをご利用ください。