“不安”の9割は“妄想”
脳はネガティブな状況や情報に対して、敏感且つ優先的に
反応するようにできています。
なぜなら、命を脅かすリスクをいち早くキャッチすることで、
“危険”に備えようとするからです。
たとえば、外から侵入する病原菌にいち早く反応し、
抗体を作って対抗する『免疫機能』は命を守るための重要な働きです。
一方、心(感情)は体内に侵入するものに反応するのではなく、
見たり、聞いたりする情報に反応して、“不安”という感情を
作り出すことで自分を守ろうとします。
不安感=恐怖感
連日の『新型コロナウィルス』に関する報道で、
強い不安感を抱いている人も多いでしょう。
正体が見えない、わからないモノやコトにはより強い不安を感じます。
なぜなら、対処方法がわからないから…。
人は、不安感が強くなると、それを解消するために情報を得ようとします。
しかし、思考が“不安モード”になっているので、不安情報ばかりに意識が向き
解消どころか不安が増強され易くなります。
今回の『新型コロナウィルス』のように、疫学的なことがよくわかって
いないときは、不確かな情報も多く、デマ情報に振り回されて
冷静な思考や判断ができないという悪循環に陥ります。
そして、不安感=恐怖感へと進んでいきます。
不安感情は脳内ホルモンの仕業
“感情”は脳内の神経伝達物質(脳内ホルモン)の分泌と受容の
バランスで作り出されます。不安感情も例外ではありません。
『遺伝的気質』を調査・分析すると、ノルアドレナリンの高分泌と
セロトニンの受容に関する遺伝子が存在する人(不安気質)は
不安感情が強い傾向にあることがわかっています。
また、ノルアドレナリンはスピードのホルモンとも呼ばれ、
じっくりと時間をかけて考えるということが苦手です。
ですから、不安が強ければと強いほど、さっさと解消したくなるので、
見たり聞いたりした情報を検証することなく受け取ってしまいます。
ところが、不安モードで受け取った情報の多くは不安情報なので、
ますます不安になり、しだいに“不安でいることで安心する”という
矛盾した心理状態に陥ってしまいます。
“取り越し苦労”と“持ち越し苦労”
ブッダ(お釈迦様)は、不安も恐怖も“頭の中の想像事”であり、
“妄想”に過ぎないと言いました。
確かに、不安の9割は非現実的な想像でしかありません。
まだ起きていないことを想像してあれこれ心配する取り越し苦労、
すでに終わったことに対して、ああすれば良かった、こうしていたらと
後悔して不安になる持ち越し苦労。
さらに、脳は意識した通りに行動させるという仕組みがあるので、
想像していた不安通りの結果になって、「やっぱり!」と納得するのです。
『メラビアンの法則』で不安解消
人は、判断に迷ったときに視覚情報を重視する傾向があります。
これを『メラビアンの法則』と言います。
現在、『新型コロナウィルス』についても多くの情報が伝えられいます。
先日の「トイレットペーパーがなくなる!」というデマ情報に
振り回された人も多かったのではないでしょうか
テレビのニュースで、「その情報はデマです」と繰り返し伝えても、
スーパーの空っぽになった棚の映像を見せられると、
「デマだとわかっていても買い占める」という現象が拡散していきます。
対処方法は、店の棚にトイレットペーパーやティッシュの箱が
たくさん並んでいる映像を見せることです。
不安感や恐怖感を解消するためにもっとも効果的な方法は、
明るく楽しい映像を見ることです。
大好きなアーティストのライブ映像や
いつかは行ってみたいと思っている海外旅行の映像、
思わず笑ってしまうような動物のおもしろ映像などは
特に効果的です。
気分は不安のままでも、こうした明るく楽しい映像を
見ているうちに、しだいに不安感情も解消していきますよ。
是非、お試しあれ!
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